ボルダリングジム経営が苦しい理由(内部編)

皆さんこんにちは。2020年3月4日、この記事を書いております。

新型コロナウイルスが日本中に蔓延しておりまして、首相からスポーツジムの自粛要請がありました。ボルダリングジムの経営に関しては、大変苦しい状況ではないかなと思っております。

 

今まではボルダリングジム経営が苦しい件について、外部的な環境というか、家賃や借入金について語ってきましたが、今度はちょっとボルダリングジムのオーナーさんや従業員さんにとっては手厳しいことも語っていきます。内部的な問題について触れていきます。

 

皆さん、事業者が生き残る確率はご存知でしょうか?国のある統計ですと、企業の生存率は1年後73%・5年後42%・10年後26%だそうです。飲食店だと「10年後5%」「2年後50%」「5年後40%」くらいらしいです。

 

確かに近所のラーメン屋さんがテナントとして入ったと思ったら、1年も経たないうちに閉店したり、近所のコンビニがいつの間にか閉店して空きテナントになっていたりします。コンビニなんかは淘汰が激しくて、あちこちで空きテナントになっていたりします。

 

特に客商売系の業種は、入れ替わりが激しいです。生き残るのは本当に厳しい生存競争だと思います。

 

それで、ボルダリングジムですが、ここ10年くらいの生存率はどれくらいでしょうか?確かな統計は知りませんが、ざっと80~90%くらいはあるはずです。全国にボルダリングジムが600事業者くらいあって、10%廃業して60事業者、20%廃業して120事業者くらいです。たぶん、50事業者くらいは確実になくなってきたと思いますが、さすがに300事業者がなくなったとかそういう感覚はないのかなと思います。その辺はまだ想像の範囲で、きちんと統計をとらないとなんとも言えないのですが、少なくとも飲食店みたいに10年後5%しか生き残らなかったということはないですよね。それだけは断言できます。

 

何が言いたいかというと、ボルダリングジムそのものが成長産業であったために、飲食店のような淘汰が起こってこなかったというのは言えるのではないでしょうか。

 

人口に対して、ボルダリングジムの絶対量が少ない時代は、黙っていてもお客さんが増える時代がありました。そうすると接客など店舗運営がクソ、すごい言い方ですけど、スタッフの接客がイマイチでもお客さんが入っていました。

 

15年くらい前でしょうか、私が東京のとある大手のボルダリングジムに行ったときにこのような体験をしました。

 

ボルダリングジムの受付に行きました。汚い工場の2Fのようなところに階段を上がったところに受付がありました。

 

受付の兄ちゃんがいて、初めてですけどというと無言で登録用紙を出してきました。全くの無言ですよ。

 

それで、一通り登録用紙を書いて提出すると、「4420円」と金額だけスタッフが言うみたいな感じで、全く不愛想でビックリしました。確かな金額は忘れたけど、結構な高い金額でした。

 

ジムの内部もすごく汚くて、常連さんが幅をきかせている感じで、すごく嫌だった思い出があります。何よりスタッフの不愛想さが、印象的で15年経っても覚えています。

 

今はさすがにそこまで不愛想な店員さんはいないと思いますが、以前はここまでお客さんを物みたいに粗末に扱ってもお客さんが湧き出してくるように増えていたのだろうと思います。

 

しかし、今ではどんどんボルダリングジムが増えてきて、お客様の方に選択の余地がでてきました。さすがにあまりに不愛想すぎるとお客さんが増えなくなって、つぶれてしまいます。

 

ボルダリングジムの経営者、スタッフの中で、こういうボルダリングジムのバブルというか成長局面で、ジム側が優位だった時代を知ってしまっていて、知らぬ間に横柄な態度でお客様と接していませんか?その辺はしっかり自分たちで改めないと淘汰されてしまいます。

 

ボルダリングジムの経営者の中で個人事業をされている人にありがちなのですけど、過去に景気のよかった時代があって、儲かった事を自分が有能だからと勘違いしている人もいるように思います。ちょっと厳しい言い方ですけど、自分が有能だったからではなく、すごく稀だけど、よい時代に乗っかって普通にやっていれば利益が出せていただけだったかもしれません。

 

個人でボルダリングジムをされている方が最も苦しいのは、悪い接客、悪い店舗運営をしていてもそれを注意してくれる人がいないのです。お客さんでジムの常連さんはオーナーさんに厳しいことを基本的に言いません。どちらかというとジム常連さんはオーナーさんの信者みたいな感じで持ち上げてくる人が多いと思います。

 

逆にボルダリングジムの接客、店舗運営に不満を感じる人は、クレームすら言わずに去ってしまいます。二度とジムのお客さんにならないので、オーナーさんとしては問題があるということすら認識しづらいのです。

 

よくあるのが、ボルダリングジムの掃除がおろそかになっていないか。そこは注意しましょう。売り上げの悪い店舗は掃除が上手くいっていないことが多いです。

 

次に常連さんと仲良くしすぎなスタッフは、ちょっと制御してほうがよいです。ある一部の常連さんと仲良くしすぎるということは、他の新規さんにとっては大変居心地が悪く感じたりするものです。ほどほどの距離感で常連さんと接するべきだと私は思います。この辺は少し見解が分かれるところかもしれませんが、儲かっている店舗は上手く常連さんと微妙な距離感を持って接していたりします。

 

常連さんが完全にイニシアティブをとるようになると新規のお客さんはいつかなくなります。ある一部の常連さんが我が物顔になってしまうと常連でない人は、とても使いづらい感じ、窮屈な感じになってしまいます。その辺は知らず知らずのうちになってしまうものなので注意が必要です。

 

次に、店側の勝手で謎ルールをたくさん設定して、お客さんをがんじがらめにしていないでしょうか?あれするな、これもダメ、オーナーさんが気にくわないものは全部禁止にしてしまったら、お客がオーナーさんの信者以外はほぼ来なくなったということもあります。

 

あと、ないと思うけども、ボルダリングジムのスタッフがお客さんと喧嘩というか口論している。

 

ボルダリングジムのスタッフがお客さんをそっちのけで登っている。なおかつ、そのスタッフが俺ってすげーーだろ、オーラを出している。

 

ボルダリングジムのスタッフ(男性)が、女性客を口説いている。他のお客さんから見るとドン引きですよね。

 

本当に気づかずに、だんだんボルダリングジム側の内部的な事情でどんどんお客さんを引き離している可能性があります。その辺はボルダリングジムの経営者が本当に注意して日ごろから気をつけていないと見えないものです。

 

お客さんが来ないのは、お客さんのせいだ。みたいに考えたら終わりです。

 

基本的には、お店側にもお客さんが来ない理由がある場合もたくさんあります。時には自分のボルダリングジムをしっかり見て、反省して、少しでも改善していきましょう。