デッドポイント

クライミング上達法 デッドポイントについて語った動画です。基本的に音声だけですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

ボルダリング、フリークライミングのムーヴの中で覚えて欲しいもので、脱初心者を志される方に覚えて欲しいのは「デッドポイント」です。まだボルダリングはじめたての方向けの解説ですので、上級者、中級者の方にはちょっと不満が残る内容かと思いますが、ご容赦ください。

 

デッドポイントって初心者にとっては何のこっちゃという用語です。

 

何か他に動画でもあったら、見れば一発で分かると思うのですが、言葉で表現するならこんな感じです。

 

右手も左手も悪いホールド(悪いホールドというのは、保持はできると片手を離すと落ちてしまう感じ)で、次のホールドを取りに行く際に、片手を離すと落ちてしまうような場合。そして、次に取りにいくホールドが若干遠い。

 

さあ、どうしましょう?

 

そこで、デッドポイントを使います。

 

まず、体をちょっと後ろにゆする感じで、壁がから引きさがり、今度は一気に上に体を引き上げます。

 

その上がる勢いが消えない間、一瞬だけですけど、片手を離しても落ちない時間があるのです。0.05秒くらいかな。ほんの一瞬、無重力じゃないけど、そんなフワッとした時間がある。

 

その時です。片手を離して次のホールドを取りに行くわけです。

 

100発100中の集中力で次のホールドを取らねばなりません。失敗したらやり直しできませんから、もう集中力が必要ですよ。

 

そんな感じの若干、一か八かのムーヴではあります。

 

あと、体を揺する、揺さぶれるくらいの余裕がないと使えないムーヴでもあります。条件はちょっと限られるのですが、それでも結構な場面で使えるのがデッドポイントです。

 

初心者さんで、よく見かけるのが、次のホールドが取れないからと体を上げにいくばかりで、腕が曲がった状態の無理な姿勢を続けてしまって疲れて落ちるパターンです。

 

実際のところ、普通に無理なら、一回、体を下げて、腕を伸ばしてから次に腕を引きつけて浮き上がる勢いをつけて次のホールドを取りにいったほうが、結果として次のホールドを取れる可能性が高いです。

 

とにかく1回後ろに下がる、そんなイメージでデッドポイントを使ってみてください。

 

デッドポイントの練習の仕方ですが、ある程度の上級者さんなのであれば、キャンパスボードの練習で、デッドポイントはパーフェクトに練習できます。もうキャンパスボードでキャンパシングができる時点で足ブラでデッドポイントがこなせているので、足を使ったら余裕でしょ、って話です。

 

じゃあ、キャンパスボードの練習ができない人はどうやってデッドポイントの練習をするかというと意外とよい方法をお客様が教えてくれました。

 

それはですね、昔、片手を骨折したお客様がいらっしゃいました。

 

長らくクライミングができません。しかし、その方はクライミング大好きなんですよ。で、登りたい。だけどさすがに骨折なので片手は使えない。

 

じゃあ、どうするか。片手で勢いをつけて登るのです。

 

片手でホールドを握り、両足をホールドに乗せ、片手でホールドを強く握り、体を後ろに揺すって上体を引きつけた一瞬できる無重力みたいな瞬間に、片手を離して次のホールドを片手で取るのです。

 

その方は骨折した期間、ずっとそのデッドポイントのトレーニングをやっており、いつの間にかデッドポイントだけはめっちゃ上手くなっていました。

 

簡単なルートで、片手だけで勢いをつけて登る練習は、デッドポイントのよい練習になります。引きつけるタイミングが大切です。何度もやればタイミングがよくなってきます。どうしても次のホールドが取れない場合などに、捨て身の一手みたいな感じでデッドポイントが使えてくる場合もあります。

 

ぜひ、トレーニングして習得してください。