パートナーを育てる

パートナーを育てるについて語った動画です。音声主体ですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

 

クライミングをする上で大切なのはパートナーだと思います。ボルダリングは最悪一人でもできますが、リードクライミングは二人一組というのが基本です。

 

昔のクライマーはこういう格言を残していました。

「自分の実力を上げたいなら、自分と同じ実力のパートナーを養成せよ」と

 

これは結構事実で、マルチピッチのクライミングをやるとか、海外のロングルートをやりたいというなら、二人一組で登る場合に二人がほぼほぼ同じ実力だと都合がよいのです。

 

マルチピッチの場合、例えば二人の実力がかけ離れている、一人が5.11dを登れるけど、もう一人が5.9までしか登れない。

 

するとこのパーティの場合は登りが尺取り虫みたいに、上級者が常にトップをつとめるという形になります。ビレイ点で常にロープをたぐって、クィックドローをトップに渡してという時間的なロスが発生します。

 

次に二人の実力が、ほぼ同じという場合はどうでしょうか。ともに5.11台を登れるみたいな場合には、二人ともトップで登れるので交互にトップをやることができます。俗にいう「つるべ方式」というもので、ビレイ点のたびにロープを手繰る必要がなく、クィックドローをトップに渡す数もかなり少なくなります。時間的にはこの「つるべ方式」がかなり早くなります。

 

そういうことで、実力が似通ったパートナーを育成することが、大きな岩を登る場合には大切になってきます。

 

あと、マルチピッチのルートを登る上でパートナーと実力が近いと何か事故があったときも適切に対処できる可能性が高いので、お互いに安心感があります。初心者と二人だけというときは、トップの人が落石をくらったとか何か事故があったときに適切にエスケープできるのか心配です。

 

大きな岩を登りたい。マルチピッチの高いグレードのルートに挑みたいというのであれば、しっかりビレーができて、お互いに実力が近く、何かのときにも冷静に安全な場所まで下れる技術を2人が持っておくことが重要です。そういう人を常日頃から育成していくことが大切だと思います。