子ども用のボルダリング壁を作る場合

お子さんのためにボルダリング壁を設置したい!保育園、こども園等でボルダリング壁を設置したいという方のために工事のコツをお伝えいたします。

新築住宅のお客様で、お子さんのためにボルダリング壁が欲しいという方がいらっしゃった。保育園からボルダリング壁の設置を頼まれている工務店の方なども参考にして頂ければと思います。

 

子どもさんといっても様々な年齢の方がいらっしゃいます。最低の年齢ですとだいたい3歳くらいからボルダリングに興味をもち始めます。ホールドの付いた壁をみると3歳、4歳頃から興味をもち、自然に登り始めます。

4〜6歳ならば、活発にボルダリング壁を登れる年齢です。この頃は、運動神経等もどんどん発達してきますから、ボルダリングをされることで様々な運動神経の発達が期待できるのでぜひやって欲しいと思いますが、注意点がいくつかあります。

 

子どもの場合には、高さのある壁は事故の危険性が高いです。

 

高さに関しては150cm程度あれば、十分であまり高くすると落ちてケガをする可能性が高まります。

あと、保育園等でお子様用の壁を設置するのであれば、高さのある壁は他の児童と激突してケガをする危険性がかなり高くなります。保育園の園児だと順番待ち等がまだ理解できる年齢ではなく、登っている子どもの下にも平気で入ってしまいます。

 

あまり高さは出さずに横方向へ移動(トラバース)させることが大切だと思います。また、4〜6歳程度の子どもであれば、横方向に移動だけでも喜んでやってくれます。円周で仮設壁を作った場合に、子どもはぐるぐる横に動いて壁を横歩きして楽しんでいました。縦方向に登らなくても子どもは比較的喜んでくれます。どちらかというと高さのある壁は怖いといって拒否するお子様も多くいらっしゃるように思います。

 

傾斜に関しては、垂直(90度)がベストだと思います。スペース、落ちた時のケガのしにくさ、子どもの筋力等を総合して考えると90度の壁がよいと思います。

 

90度の壁がある状態でまだスペースがあるなら、10度程度傾いた100度程度の壁がもう一つあるとよいでしょう。

 

スラブに関してですが、あまりおすすめしません。理由は、落ちた時に顔をホールドで強打するなど事故が起こる可能性があります。また、登ったはいいけど降りられない等のトラブルも起きてしまいます。スラブだから安全ということは全くなく、垂直(90度)の壁よりもケガは多いような感じがします。

 

最後に、子ども用のクライミングウォールを設置した場合には、「上抜け」対策はしておきましょう。

 

「上抜け」対策とは、ゴールのホールドから、クライミングウォールの上端まで腕が届いてしまうと、大人ならばそれ以上は危険で登ってはいけないと理性が働きますが、子どもの場合はそれより上まで登ろうとしてしまいます。壁の裏側に落ちてしまうと大事故になってしまうので、絶対に登れないようにゴールホールドから壁の上端まで絶対に届かないホールド配置にするなど、対策が必要です。

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自宅にクライミングウォールを作る方法

 

1.どこに作るか?

 

・新築物件でこれから設計

・車庫に作る

・3Fの屋根裏部屋

・リビングの吹き抜け

・お庭

・ガレージを作って設置

・賃貸物件なので、釘などは一切打てない

 

などでしょうか。今まで私が聞いたのはこのような感じです。

 

新築物件の場合

 

一番自由度が高いです。子ども部屋、リビングの片隅などいろいろな場所に設置ができます。建築士さんと相談しながら決めてください。

 

車庫の場合

 

車庫にクライミングウォールを作る場合は、消防法に従うならば壁の表面を難燃剤で仕上げる等の処理が必要になると思われます。この点については、私はさほど詳しくないので建築士さんや消防関係の方へお尋ねください。

車の寸法をあけておく必要があるので、ある程度の制約はありますが、車を車庫から出したときだけ使えるタイプのクライミングウォールになります。日本の住宅事情を考えると車庫の内部の方が広いスペースを取りやすいかなと思います。

なお、雨の日は車に水滴が付着しますので、車庫内はかなりの湿気になります。その辺の対策も踏まえつつ、クライミングウォールを作ってください。

 

3Fの屋根裏部屋

新築住宅で屋根裏部屋がついている物件もあります。屋根の傾斜の部分がありますので、その部分をクライミングウォールにするとデッドスペースの無駄が少ない利点があります。

 

リビングの吹き抜け

リビングに高さ4M程度の吹き抜けがあり、高い天井を活かしてクライミングウォールにすることもできます。ただし、高さ5M程度を超えた場合は、トップロープ等を設置してロープクライミングになります。

 

お庭

屋外に設置する場合には、トタンなどの波板で屋根が付けられるかどうかで工法が変わってきます。簡単な屋根が設置できるのであれば、その方がクライミング壁やホールドが長持ちします。

屋根がある場合は、材料に木材が使えます。木材には塗装、防腐剤等で処理が必要になります。

屋根がない場合には、木材も雨ざらしに耐えられる防腐剤が注入されたような材料を使うかFRPやコンクリートなど別の材料になります。

 

ガレージを作って設置

別棟でガレージがあり、そこに設置する場合。

スレート造りで鉄骨がむき出しの場合は、単管パイプで組み上げるのが一番簡単です。

ガレージが木造で下地の柱が見える場合は、そのまま木材同士で連結してしまうのが一番簡単な工法になります。

 

賃貸住宅で釘一本打てない

マンション・アパートの自室にクライミングウォールを作りたい場合は、壁に釘など打てない場合があります。その場合には、木材等で自立式のクライミングウォールを組み上げる必要があります

施工事例