クライミングのスタイル

クライミングのスタイルというのは、様々なスタイルがあります。例えばボルダリングというのも1つのスタイルで、ロープを付けないというクライミングのスタイルなのであります。ボルダリングジムからクライミングを始めた、みたいな方にとってクライミングのスタイルなんて最初はどうでもよい話だと思います。実際、私もそんな形で、フリークライミングに大学時代触れたわけです。

 

まずクライミングのスタイルとして、人工登攀とフリークライミングの2つがあります。前者の人工登攀は、ボルトを打ってそれにアブミという縄梯子みたいなものを引っかけて登ってもOKというやつです。人工登攀は、私自身、屋久島のルート開拓でほんのちょっとだけやったことがありますが、アブミに乗るのは意外とバランスが難しくて、大変だった思い出があります。

 

しかし、人工登攀をやってまで登るより基本的にはフリークライミングで登れる岩は登ろうみたいなスタイルが主流でした。一時はボルトを連打しまくって、どんな岩もガツガツ登るみたいな時代もあったらしいです。もう自分がクライミングをやりはじめた時にはそういうボルト連打は嫌われるような傾向にありました。

 

ボルト連打は、とにかく岩に無残にボルトがいっぱい並んで汚い印象があります。そこでボルトを打つにしてもクライマーの安全確保のために最小限にしましょう。みたいな感じでフリークライミングが流行るようになりました。

 

ボルトは墜落時にクライマーの安全を守るためだけに打たれていて、そのボルトを登るためには利用しないというスタイルです。人工物に頼らず登りましょう!というスタイルなんですね。

 

さらに進みますと、さらにロープすら付けずに登ろう!ということでボルダリングがでてきました。

 

ただ、フリークライミングの中にもロープを付けないクライミングがあって、フリーソロというのがありました。300mの岩壁もフリーソロで登ったりする人もいます。落ちれば当然死にます。究極のクライミングスタイルです。

 

ボルダリングのハイボールも10m近いものがあって、これまたすさまじい高さを登ります。フリーソロに近いですが、ボルダリングなんです。この辺の境界は微妙なところです。

 

ボルダリングにもさらにスタイルがあって、自分が知っている中では落ちたときに衝撃を和らげるクラッシュパッドを持たない人もいます。

 

岩を泥で汚さないためにスタート地点に、足ふきマットのみを敷いて、クラッシュパッドは一切使わないらしいです。非常に高いところは当然怖いのですが、その辺のスリルとの戦いが楽しいそうです。クラッシュパッドがなくて、高い難易度の課題が登れなくても何か道具に頼るのは嫌だという人たちのようです。

 

さらにすすんでチョークも人工物なので頼りたくないという人たちもいるそうです。確かに人工物で道具に頼っている感じはします。なら、クライミングシューズも履かなければいいのにと思って調べたら、クライミングシューズを履かないスタイルのおじさんもいました。超びっくりしたのですが、ドイツにそういうクライミングシューズを履かずに裸足で登る人の動画がありました。すごくビックリしました。

 

結構な高さの岩場を裸足でチョークもロープもなしでフリーソロをしていました。すさまじく高いグレードを登っているわけでもないですが、落ちたら確実に死にますので大変だろうと思います。

 

クライミングの歴史があって、クライマーのこだわりも多数あって、いろいろなスタイルがでてきたのだと思います。ときどき、他のスタイルのクライマーと論争が起きたりもします。お互いに認め合って、クライミングの発展に貢献して欲しいものだと思います。