マントリングが苦手なのですが

マントリングが苦手なのですが

 

自然の岩場、特に河原の岩場で出てくるのが、マントリングという技術です。一般には「マントル」とか「マントル返し」と呼ばれるものです。

 

ボルダリングで自然の岩場に行かない人はあまりピンとこないムーヴだと思います。あと、リードクライミングの人もあまり出てこないムーヴです。河原の岩場だとマントル核心という課題も結構あったりします。

 

マントリングは最後に岩場の平たんな部分までずり上がる技術です。一般的には、ヒールフックをかけて両腕に力を入れて上半身をぐいっと引き上げるみたいなムーヴです。言葉だけだと表現しにくいです。

 

どこかで実演すれば、分かってもらえるかもしれません。見れば、ああ、ずり上がるやつね。と納得してもらえると思いますが、これが結構難しいのです。

 

ヒールフックがかけられて、両手ともに良好なホールドならよいのですが、ヒールをかける部分が浅い、手のどちらかのホールドが猛烈に悪いスローパー、傾斜がめっちゃ急とかいろいろ状況によって難易度が変わってきます。

 

あと、河原の岩場でよくあるのが、下地が絶望的に悪い・・・。

 

たぶん、経験した人じゃないとその恐怖は言い表せないと思います。

高さが5メートルくらいで、下地が岩がゴツゴツしていて、ちょい傾斜している。そして、ホールドもスタンスも湿気っているみたいな。

 

どうやってもマントリングしたくないですが、クライマーならそこに課題があって、登れるグレードで、結構いいムーヴのかっこいい課題なら多少のリスクがあっても登るでしょう。

 

マントリングの時には、よくヒールフックを使うのですが、そのときに頭が下になるんですよね。一瞬。ここで、見事っていうか、最悪、両手がすっぽ抜けると頭から地面に真っ逆さまなんです。

 

この恐怖に打ち勝ち、見事登れた日には、岩の上で叫びまくりですね。

分かってくれる方が、うーーん、たぶん30人くらいはいらっしゃると思います。

感動ですよ。マジ感動。それもそれで最高グレード更新とかだったら、夜はビール飲みまくりです。祝勝会やるレベルでうれしいと思います。

 

ちょっと完全に話がそれちゃったですけど、ここから本題、マントリングの練習方法です。

 

実際、よく分かりません。

 

え、・・・、ここまで話を引っ張っておいて、なんと分からないときました。

 

すみません。私、マントリングは相当苦手でございまして、全然自信がないです。

 

ちょっと結論から申し上げますと、ジムで練習はほぼほぼできません。マントルの練習用の壁とか作ったことがございますが、どれもイマイチな出来に終わりました。

 

なんといいますか人工壁で作るマントル課題と自然の岩場のマントルは根本的に何かが違うのでございます。人工壁のマントルは、私が自作した壁がしょぼいことも多々あると思いますが、何かイマイチなのです。自然の方が100倍楽しい!

 

マントルが不得意な私が語ることではないですが、自然の岩場のマントルはできない私なりにも登れた時には感動があります。

 

それは、スタンス、ホールド、下地、スポッターの応援などなど、いろんな要素もございまして、マントルの奥深さみたいなものを感じられるのです。

 

人工壁に作ったマントル課題というのは、結局1回できちゃうと傾斜も似ているし、後ろにふかふかのジム用のマットがありますし、なんか違うかなと思ったりしていました。

 

結局、マントル課題をやるには河原のボルダリングの岩場に行けよ、ということです。たくさんの課題をやることで絶対上手くなると思います。

 

あと、補足で情報ですが、体操競技の経験者はマントリングが超上手いです。私の仲良く登っていたおじさんで高校時代に器械体操をやっていた人がいました。

 

その方はマントル返しが大変上手くて、ヒールフックなんてかけなくてもぐるんぐるん手首を返すんですよ。マジで不思議なくらい上手い。

 

それで聞いたら、体操競技で、吊り輪や鉄棒で手首をぐりっと返す動きをたくさんやるらしいです。

 

だから、マントルだけ上手くなりたかったら、器械体操の吊り輪や鉄棒で練習するとよいのかもしれませんが、私はやったことがないです。

 

そんな感じでしたが、さらに最後に補足します。私の行っていた大分県の岩場で、5.11aのルートの最後の核心がマントルというルートがありました。ルート名なんだっけな、なんとかタワーっていったルートがありました。

 

その最後がマントル返しで、リードクライマーって、マントル返すことがあまりないから苦手の人が多いんですよ。地上、15mくらいの高所でマントル返し損ねて、みんな4メートルくらい恐怖の墜落をします・・・。

 

その恐怖の声を聞くのが楽しかったです。私は、ボルダリングもやっていたから、そんなに不得意じゃなかったから、そのルートで落ちた記憶はないですけどね。

 

リードの人もマントル返しの練習はやっておくと何かで役立つかもしれません。

 

そういったお話でございました。