コンペに出場する

クライミング上達法 コンペに出場するに関して語っている動画です。基本的に音声だけですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

まだコンペに出場したことがない人向けに作っていきます。もうコンペに出られている人にとっては、ちょっと物足りないと思います。最初に断っておきますね、やや初心者向けの講座になっておりますので申し訳ないです。

 

クライミングをやる上でコンペに出場するというのもあります。コンペとは、クライミングの大会、競技会のことですね。

 

今はオリンピック種目になりましたので、オリンピックが最高峰なのだろうと思いますが、ワールドカップ、国体、あとは企業がスポンサードしたようなノースフェースカップなどそういう大会、あとは各ボルダリングジムごとに開かれるローカルな大会など各種あると思います。

 

そういう大会に出場する意味をまず考えてみましょう。

 

まず、自分のモチベーションアップというのは大きくあると思います。大会に出ることによって少なからず刺激を受けます。めっちゃ上手い人の登りをみるとそれは刺激を受けますし、その後の練習にも影響を与えてくれます。それだけでも出場する意味があるというものです。

 

あと、自分の実力を推し量るという意味で出場するということです。これは私の話なのですが、鹿児島、宮崎なんていうかなり地方でクライミングをしておりましたから、外の人たちの中での自分のレベルというかそういうものが分からないのです。

 

毎日のように同じメンバー、同じジムで登るわけで、それは言ってみれば「井の中の蛙」ですよ。完全にそんな感じ。外界を全く知らない感じです。

 

私もコンペに参加して、えっとコンペに正式にエントリーしたわけじゃなくて、自分の場合はなぜか主催者側で、それも実行委員長みたいな感じのポジションで携わったのが最初でした。やっぱり衝撃でしたよ。

 

というのが、私は選手じゃなくて裏方だったのですが、遠くの県の実力者たちがオブザベーションルームで選手同士で話をしているんですよね。

 

35手くらいのルートを4分間かそれくらいで観察して、私なんか超素人で何にも分からない感じでしたけど、実力者たちは既にルートを見切っているわけです。

 

裏で、じゃあ、俺、あそこらへんで片手でぶら下がって手を振るから、お前は最後の5手はキャンパで登れ。(キャンパというのは足を使わず手だけで登れ)

 

みたいなことを言っていました。冗談で言っているのだろうと思っていたら、予選だったと思うのですが、本当に言っていたようにそういうトリッキーな登り方で登っちゃったんですよ。観客は喜んで拍手喝采でしたよ。ある意味、私の中では衝撃的でしたね。本当に。

 

そんな感じでよくも悪くも刺激は受けます。

 

すみません。いつもながら前置きが長くなりました。ここまでがなんと前置きです。

 

本題ですが、コンペに出場したい!と思ったらエントリーしてみてください。

 

いきなりオリンピックの予選とかには出られないので、近くのボルダリングジムのローカルな大会があればそういうのがよいと思います。

 

コンペに出るためには、それ用の練習も必要でしょう。

 

普段の登りと変わるのは、1回で失敗なく登ることが要求されます。オンサイトといって初めて見る課題やルートを1回で失敗なく登ることが基本的に要求されます。1回落ちて登るたびにポイントが低くなって、トライ回数が多くなるごとに基本的には順位が下がっていくような感じです。他の人の登りを見てしまうと後から登る人が有利になるので、そのカテゴリ(ビギナークラスとかそういうレベル分け)の参加者は裏の部屋(アイソレーションルーム)に隔離されるのが一般的です。

 

そのためにはオブザベーション能力が必要になってきます。それは、登る前に課題やルートを観察する時間が与えられます。その制限時間で、課題を観察し、ムーヴをイメージし戦略を練ります。

 

いきなりやっても多分チンプンカンプンです。これはそれなりに訓練しないといけません。初めてみた課題を制限時間を自分で決めて、他の人からアドバイスももらわずに登りきる。この訓練を何度も何度もやっていくことです。

 

できれば、自分の登るジムだけではなく、他のジムにも武者修行に行くのもよいです。毎回決まったホールドだけで登るとホールドの形状やクセ、ジムの壁の形状に慣れてしまいます。できるだけ、いろいろなボルダリングジムで、登ったことがない壁、ホールドで登る訓練をしましょう。

 

できれば、即興で課題を作成してくれるコーチがいればパーフェクトですが、なかなかそんなコーチはいません。

 

新しく行ったジムで、自分の登れる最高グレードより2グレード下をすべて1回で登れる感じならそこそこ勘がよいと思います。

 

あとは、時間を決めて課題にトライする練習をしなければなりません。意外と時間の使い方も重要で、登れそうにない課題は思い切って捨てる覚悟も必要になってきます。全く登れない課題に対して無駄にトライを繰り返して疲労し、次に出てきた登れるはずの課題には体力がなくてミスを連発するとかコンペでよく見かけます。

 

そういうのが本当にもったいないので、時間配分、課題をどうしても登れないのであれば捨てる勇気も養っておくことです。

 

実際のコンペであるのですが、オブザベーションで見た時に感じたムーヴと実際に取りついたときに全然やってみると違うことがあります。現場で、修正を加えるなども必要です。その辺はもう勘とかフィーリングの世界ではありますが、現場で臨機応変に変えられる力も必要です。

 

そんな感じでコンペも奥が深いです。

 

すみません、最後に再度断っておきますが、私自身、コンペはほぼほぼ主催する側が多くて参加した経験も少なく、実績も全然ありません。いろいろ地方都市ではありましたが、コンペを見て、そう思った範囲のことを述べました。もっともっとコンペは奥が深くて、難しいものであるので、そういうコアな部分はコンペで実績をあげた方から話を聞かれたらよいと思います。

 

コンペに関しては、テストで例えるなら、それなりに実力のある人は100点満点で80点はとれるとします。外岩でめっちゃ上手くて、ジムでも普通に練習させればバリバリ登れる人は80点取れるとして、あと20点分はテクニックで補う形です。時間配分とかオブザベーションの力、登れない課題を捨てる勇気などなど。

 

最後の10点、20点くらいの小さな部分でコンペ慣れ、試合慣れしていて勝負勘がある人が結果を残しやすい世界でもあります。その辺はうまく対応してやってみてください。

 

なお、コンペに出場していきますと、他の県にも知り合いのクライマーがたくさんできて、本当に楽しいですよ。あちこちの大会で再会しますと、友達が多くなってコンペの合間にいっぱい世間話しますよね。

 

意外にコンペというのは、いろいろなクラス分けとかありまして、実際に出場するのが10~20分くらいで、あと4時間は待ちみたいな感じです。待ち時間はだいたい多くて、私なんか毎回予選落ちだったので、終わるまでまだ4時間待ちみたいな感じでしたね。

 

そういう待ち時間に周りのクライマーと情報交換するのも大変楽しいものです。

 

意外とコンペを毛嫌いされる方もいらっしゃいますが、そういうのはもったいないので、絶対コンペには出ない!と宣言されている方以外は出られたらよいのではないかと思います。