クライミングと相性の悪い仕事について

クライミング・ボルダリングと相性の悪い仕事について語った動画です。音声主体ですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

 

本日は、フリークライミング、ボルダリングと相性の悪い職業について語ってみたいと思います。私は、昔、ボルダリングジムを経営しておりまして、15年で2万人くらいのお客さんを見てきました。そんな中で感じたことをお話していこうと思います。

 

まず、フリークライミング、ボルダリングというスポーツの特徴ですが、指を使うスポーツなんですよね。それも指2本で全体重を支えるみたいな結構、指先を酷使するスポーツです。

 

故障の第一位が指。みたいな変なスポーツなんですよね。岩やホールドと直接接して、体の全体重を指先だけで支えるみたいなスポーツは他にあまりないです。例えていうなら、「指たての腕立て伏せ」まあ一部には「指たて」みたいに呼ばれますけど、あれを2時間、5分につき1分やるのをひたすら24セットやるみたいなもの。そんな人いないと思いますけど、ボルダリングはそういう特殊な運動をしているとも言えます。

 

そうなので、指は人によってはだんだん太くなり、そして指先は鈍感になってきます。手のひらもマメやタコが角質化してきて、だんだん指の皮、手の皮が分厚くなってきます。既にほかの動画でも説明しましたが、指の皮を紙やすり(サンドペーパー)でシャカシャカとこすり落とす人もいるほどです。

 

それだけ指先を酷使しますと、言うなれば手が「足化」してくるのです。動物のアシカじゃないけど、私がいま作った造語で足化、つまり足みたいな感覚の手になってくるのです。神経が敏感だと指でぶら下がったときに痛いから、だんだん手の皮が分厚くなって神経も鈍感になってくるような感じがありました。

 

そんな感じで、手の繊細なタッチというのは失われる傾向にどうしてもなってきます。

 

えっと、ここまで前置きでしたが、クライミングと最も相性の悪い職業第一位は、ピアニストです。

 

これは、クライマーの方は、ほぼほぼ納得だと思います。

 

プロのピアニストで趣味がボルダリングで初段登れます!とか絶対あり得ない。まあ、趣味でピアノ、趣味でボルダリングはありだと思いますが、プロのピアニストでボルダリングが趣味はないだろうなと思います。

 

繊細なタッチで鍵盤を奏でるのに、指皮がボロボロになるハードなクライミングは全く相性がよいとは思えません。プロのピアニストは、ハードなボルダリングだけは避けましょう。というか、手に保険をかけるようなレベルの人は絶対にやらないスポーツだと思われます。

 

他にも音楽系の一部の楽器もボルダリング不可というのはありそうですけど、音楽に全然詳しくないので、あえて触れません。

 

 

続きまして、ボルダリングと相性の悪い職業の第2位は、歯科医師です。

 

これについては、やっぱり前述のピアニストと同じで指先の器用さが必要とされるお仕事なので、あまりハードなクライミングはできないと思います。ただし、歯科医師についてはクライミングをしている人、していた人を何人か知っていますので、絶対不可でもないのかなと思います。さすがにハードなクライミングをしている人は、ほぼほぼいない職業です。

 

続いて第3位にランクインしたお仕事はマッサージ師です。正確な職業名は分かりませんでしたけど、マッサージで人を治療するお仕事の方です。で、なんでこの仕事をランクインさせたかと申しますと、このお仕事の方でジムに熱心に通っておられた方がいらっしゃったのです。

 

と、手をみてビックリ。テーピングがぐるぐる巻きなんですよ。隙間もないくらいテーピングがぐるぐる巻き。なんで?って聞いたら手の皮を傷めるとマッサージの時に微妙な手の感覚が狂うからだと言います。

 

でも、そこまでテーピングをぐるぐる巻きにするくらいならやらなきゃいいのに。と率直に申し上げましたが、そのマッサージ師のお客様曰はく、どうしてもボルダリングはやりたいのだと。そこまでの情熱はすごいと思いました。

 

他に気づいたのは、プロ野球のピッチャーは、指先の感覚が命という部分があるので、ボルダリングは不向きです。指先にマメができれば降板、爪がちょっと欠けたら降板みたいな感じなので、ボルダリングで指皮がごそっと削げ落ちるリスクのあるようなことはできないでしょう。まず、指先の感覚ひとつで1億円とか年俸稼げるわけなので、そういう人は決してやらないだろうとは思います。

 

そんな感じで総じて、指先を繊細に使うようなお仕事とは大変相性が悪いだろうという私なりの結論でございました。そういうお仕事の方は、ボルダリング、フリークライミングを趣味にするのは基本的に諦めましょう!というお話でした。