脱力して登る

クライミング上達法 脱力して登るについて解説した動画です。音声主体ですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

超初心者向け講座

脱力して登ること

 

初心者さんの登りをみていつも思っていたのは、腕に必要以上の力が加わっている人が多いのです。必要以上に腕に力を入れて登って、すぐに「腕がパンパンに張った」と言われる方がいらっしゃいます。

 

とにかく腕のエネルギーというか、腕力を完全に無駄遣いしてしまっていて、もったいないです。

 

上手い方のクライミングを見ていると適度に脱力できています。クライミングの達人になりますと指3本(人差し指、中指、薬指)がホールドに引っかかっているだけという人もいます。その引っ掛かり方たるや、指が金属のフックのように見えます。

 

でも確かに登っている人も指をフックのように使っているのです。筋肉じゃなくて、骨で保持するようなイメージです。握るのではなく、指を引っかけているだけのイメージで登ることです。

 

そして初心者の登り方が、腕が中途半端に曲がっていつも力がめいっぱい入っているのに対し、上級者は通常腕を伸ばしておいて、登るときだけ適切なタイミングで腕が曲がって力が最小限に加わっています。

 

登る力が、最小限の上級者に対して、無駄な腕の力を使いまくって登る初心者。ここが登りの大きな違いになって現れます。基本的に、上級者よりも初心者の方が腕の力が弱い場合が多いので、エネルギーロスがあると初心者はさらに登れなくなります。

 

では、無駄な力を省いて登る。脱力して登るのはどうやって練習するのでしょうか?

 

様々な練習の仕方があると思いますが、私の考える中で最もやって欲しい練習は、逆のことをやるのです。

 

自分が登れるグレードよりも2段階程度下のやさしいグレードの課題を1つ選択します。この練習は、腕の力を消耗しすぎるので、練習の最後あたりがよいかと思います。あと、混雑したボルダリングジムでは他のお客様の邪魔になりますので、閉店間際のボルダリングジムがよいと思います。もう、周囲にいるお客さんはまばらな感じ、ほぼ蛍の光の音楽が流れそうな閑散としたジムでやってください。

 

やり方は、4級登れる人は、6級程度の課題でやってください。これならある程度余裕をもって登れるでしょう。傾斜は100度か110度程度がよく、スラブや90度の壁ではあまり効果がないです。130度や140度の傾斜だと傾斜が強すぎて、ムーヴが継続できないかもしれません。

 

自分にとってやや簡単に感じる課題をものすごく力を入れて、スローモーションで登って下さい。

 

ここで終了点に着いたら、今度はさらにスローモーションで、クライムダウンします。それも力を入れまくって下ります。腕がパンプして乳酸で膨れているかもしれません。場合によっては、ガバ系のホールドで片手ずつ、腕を下げてシェイクして、腕をレストさせてもよいでしょう。

 

下ってスタート地点に着いたら、今度はまた登ります。それで、目標は3往復。

 

腕はパンパンになると思います。それで結構よい練習になったと思います。

 

1週間くらい間をおいて、翌週くらいにまた練習してみてください。練習の最後にこの登り下りの練習を毎回やる。これを3週間繰り返します。

 

そして、第4週目に仕上げのテストです。この登り下りして鍛えた6級課題を力を抜いて登ってみましょう。すると、力が自然に抜けて登れるようになるはずです。力を抜けるようになるためには、めいっぱい力を無駄遣いする登り方を無理やりさせることによって、意外と力を抜くことが可能になってきます。

 

不思議ですが、そんな感じです。万人受けする練習法ではないかもしれませんが、私の先輩クライマーから教わった方法です。もしよかったら試してみてください。