リードクライマーはビレーから覚えよう

リードクライマーはビレーから覚えようを解説した動画です。音声主体ですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

最近は、ボルダリングをされる方が多くて、クライミングといえばボルダリングみたいな風潮になってきております。一般の方のイメージとしては、ロープを付けないのが普通みたいな感じですよね。だけど、ひと昔前、2000年より前は、クライミングといえば、リードが主流でボルダリングは雨が降った後の岩場でトレーニング目的でやるものみたいな感じでした。

 

ボルダリングが主流な今ごろですが、リードクライミングも面白いのでぜひチャレンジして欲しいと思います。スリルと達成感はボルダリングに負けず劣らずすごいものがあります。高さ20メートルの岩壁を登るとか爽快ですよ。

 

まず、リードクライミングをされるのであれば、最初に覚えて欲しいのは実のところビレーだと思います。登るより先にビレーを覚えて欲しいです。

 

ビレーというのは確保のことで、リードクライミングはボルダリングと違って二人一組で行います。クライマーとビレーヤーの二人一組で、クライマーが墜落したらロープを手繰ってビレーヤーが確保器で確保してあげます。

 

この2人の息がぴったり合わないと実際のところ登る側も難しいルートは登れません。確保に少しでも懸念があるようなら、まず登る側も最高のパフォーマンスを出すことができないのです。

 

ビレーの失敗は、最悪、死亡事故につながります。それだけビレーヤーは責任重大です。ビレーそのものは、登るよりは難しくないですが、クライミングする人が登りやすいように配慮が必要です。

 

詳しいやり方は、さすがに命にかかわるので、通っているクライミングジム(リード壁のある)の講習、クライミング協会などの講習でしっかり習ってください。

 

中途半端な知識でけが人を出すのは嫌なので、本当にしっかりとした知識、経験のある人からビレーのやり方を習ってください。

 

あと、私は元々山登りからクライミングに入ったきた人なのですが、富山県の文部省登山研修所というところに行ったことがあります。今、あるかどうかは知りませんが、2000年当時には、ビレーを体験できるマシーンがありました。

 

仕組みはこんな感じです。

 

大きなトラック用のタイヤがあります。タイヤが人の代わりです。

 

そこに超強力な電磁石でタイヤに取り付けた金属と磁石の力でドッキングさせます。

 

ウィンチでタイヤと電磁石を引き上げます。

 

クィックドローが数か所設置されていて、そこにロープが通してありタイヤに繋がっています。登っているクライマーを見立てています。

 

6メートル登った地点で、4メートルのところにクィックドローがかけてあります。こんな感じで数値はいろいろ操作、調整できます。

 

研修生は、ハーネスをつけてATCなど確保器でビレーの体勢をとります。

 

教官がスイッチを押すと電磁石の電気が切れて、磁石が外れてタイヤが落ちます。

 

ロープが引かれて、研修生はビレー器具で確保をします。タイヤが宙づりになります。

 

みたいな感じです。すごく便利なマシーンですが、どこのジムにもこういうのが一台あるとビレーの練習ができてよいのになと思います。

 

うちの県では、エアマットを2重に敷いて、タイヤ落としビレーの練習を人体実験していました。ぶっちゃげビレーの初心者がビレーを間違うと大事故につながります。だいたい、ビレーの上級者が横でロープを握っていますので、事故には繋がりませんが、人体実験だと落ちる人の勇気が必要です。

 

そんな感じで、ビレーをまず覚えてください。

 

上手いビレーヤーになりますと、上級者からも信頼をしてもらえます。すると一緒にどこどこの岩場に行こう!とお誘いがかかります。それがすごい勉強になります。

 

リードクライミングで上手くなりたかったら、まずめっちゃビレーを上手くなって、登っている人がシンプルに欲しいときにロープがしっかり出し入れして窮屈でない。登る人がガチで登るのに集中できる、そういうビレーを志せばたくさん登りに行くお誘いがかかって成長できます。

 

リードをやるならまずビレーから覚えよう!と私は言いたい。