公営のクライミング施設について

皆さま、こんにちは。

ちょっと以前に公営のクライミング施設について、コメントを頂いたのでちょっとだけ触れておこうかなと思って、一応、動画を作っておきます。実際のところ、この公営のクライミング施設については言いたいことがたくさんあるのですが、炎上しそうなのであまり突っ込んだことは言いません。申し訳ないです。

 

他の動画でも言っておりますが、私がフリークライミングに積極的に取り組むようになったのは公営のクライミング施設でした。

 

利用経験も長いし、その中で利点や問題点もたくさん見聞きしてきました。

 

まずですね、私の基本的な考え方なのですが、民間でもできることは民間のクライミング施設でやっていくべきです。これが考え方の基本だと思います。

 

というのは、民間でやると様々な利点があります。

 

まず、民間でやれば雇用が生まれます。そして、運営する中で少なからず税金を支払うことになり、経済は潤うし、税金も支払ってくれるし、うまく経営できるなら民間でクライミング施設をやることが望ましいと考えます。

 

逆に、国や県、市町村などの公営施設、例えば運動公園内でクライミング施設があったとすると基本的には赤字施設になる場合がほとんどです。

 

私が最初によく使っていた公営のクライミング施設は利用料金が440円でした。2時間440円で、これが一人あたりではなくて、何人で利用しても2時間440円でした。リードクライミングの施設でしたので、基本的には二人以上で使います。10人で使う場合も普通にありましたので、10人で使う場合は44円なんですね。

 

貯金箱がウォールの下に置いてあって、そこにみんな100円入れるルールになっていて、代表者が受付にカギを借りにいって、440円支払うみたいな感じでした。

 

とにかく料金がバカ安いので、全部の時間に予約が入ったとしても1日のクライミング施設の収入は5000円にも満たなかったでしょう。

 

建設費は数千万円はかかったはずなので、年間のホールド替えのメンテナンス代すら賄えていなかっただろうと思います。

 

つまり、民間でやれば税金を支払うものが、赤字で税金を補填しないと維持できない施設を作ってしまう可能性が高いです。

 

とはいえ、赤字がでないように管理するなら、1時間あたりの利用料金が3000円とかになってしまうと思うので、そのような高額な利用料金が公共の施設にふさわしいかどうかは疑問です。

 

ボルダリングの施設は民間でも普通に作れるので、その辺は民間のボルダリングジムがあって、さすがにリード壁やスピード競技用の練習施設は公営の施設があったほうがよいかなと思います。

 

特に今からもオリンピックの競技がリード、ボルダリング、スピードの3種類の種目をミックスしたような形で開催されるならば、リードやスピード用のクライミングウォールは公共の施設として建設しないと難しいと思います。特に地方都市ですと、これらの大きな設備は民間で作ることは難しいですね。

 

公営の施設が全部ダメとかは毛頭思っていません。民間の施設だけとなると東京、大阪などのように大きな都市にしか、リード、スピードを含めたクライミングウォールの建設は難しいです。

 

ひと昔前までは、クライミングで上手い人というのは、だいたい関東、関西の大都市部に住んでいる人が多かったです。

 

その答えは簡単で、クライミングの施設が身近にある人が圧倒的に上手くて強かった。しかし、そういうのがこの頃は崩れてきていて、地方都市に住んでいる人で上手い人は普通にいます。それは何かというと、地方にもそれなりに充実したクライミング施設が公営、民間ジムともにできてきたからだろうと思います。

 

それくらいクライミングにおいてハードウエアというか箱の部分は大切でして、その辺を上手く民間と公営の施設で棲み分けができればよいと思います。

 

以前は、ボルダリングジム経営の立場でございましたので、公営のクライミング施設はやたら安くて、その安さたるや、民間のボルダリングジムでは太刀打ちできないほどでした。料金の差は10倍以上ありました。なので、公営のクライミング施設は嫌だなあという思いしかありませんでした。

 

だけど、今はそういう利害が対立する立場ではないので、ちょっと考え方も変わってきたかなと思います。

 

公営、民間ともに一長一短ありますし、どちらの施設でも運営を頑張っておられて尽力されている方がおられますので、うまく棲み分けして活用していただければと考えております。