仙人がいた

嫁さんが、どこのウェブサイトで見つけたのか知らんが

行事があるから、その下見についてこいという。

 

よく分からんが、その謎の場所の下見についていった。

 

まず、田舎過ぎて住所がよくわからんのだ。

近くのコンビニに着いたら、電話をくれとのこと。

 

宮崎の田舎あるあるなのだが

Googleマップで検索しても、その住所が出てこないのだ。

理由はだな、田舎の住所ってのはめっちゃ複雑になっている。

 

例えば、〇〇町1234番地の567

みたいな住所の場合、

めっちゃ広い1234番地ってのがあってだな

そこに登録のあった順に567号ってのが

割り振られているみたいな感じ。

567号の横に568号があるかと思いきや

めっちゃ遠かったりする。

昔、配達の仕事をしていた時代に

鹿児島市の下福元町や伊敷などの住所はめっちゃ複雑で嫌になったわ。

 

これからの時代、田舎は番地じゃなくて

北緯〇〇度〇〇分〇〇秒、東経〇〇〇度〇〇分〇〇秒みたいな

GPSの座標みたいなほうが分かりやすくなる時代に

なっているかもしれないな。

 

で、電話してなんとかそのおっさんの土地に着いた。

 

おっさんというよりおじいさんが一人、

50坪ほどの雑草地にたたずんでいた。

その雑草地の真ん中に10坪ほどの小屋がたっている。

ここが研究所らしい。

 

えっ?

 

研究所というより掘っ立て小屋だ。

 

水も電気もきていないという。

 

トイレは近所のコンビニやスーパーに行けとのことだった。

この爺さんがトイレをどうしているかは

かなり謎だった。

小は、その辺で立ちションでなんとかなろうが

大はさすがにそうはいかんよな。

 

その爺さんは、どこに住んでいて

どう生きているかは完全に謎だった。

 

一応、その掘っ立て小屋とその手前の牧草地で授業をして

それなりの収入は得ているみたいだが、

掘っ立て小屋の研究所を見る限り

大儲けしている感じはなかった。

 

実は、その爺さん、かなり難しい国家資格をもっているらしい。

免許状のコピーが飾ってあった。

 

儲けようと思えば、その国家資格を使って

ちょっと商売すれば年収1千万くらいは

軽く稼げそうだが

まったく儲ける気はなさそうだ。

 

淡々とお話をしていた。

 

結局1時間弱は爺さんの話を聞いた。

 

が、何がどうなるのか、

謎ばかりが膨らんだ。

 

家に帰ってみたら、

謎を解明したくて

Google先生に聞いてみた。

 

そしたらあっさり答えが出た。

 

謎の爺さんの正体は、

昔、教授だったらしい。

論文が出てきた。

 

ゆえにお金には全く困っていない模様。

 

あの牧草地で、のんびり

若い人に学問を教えたいという。

 

まあ、それにしても

水道や電気くらい引いたらいいと思うのに

そういう便利なものに全く興味がないみたい。

 

少し謎が解けたが

この先どうなることやら。

 

あと2週間後くらいに

また謎の牧草地に行くことになっている。

どうなるんだろ?

 

以上