ボルダリングジム 初回登録料という謎ルールについて語った動画です。音声主体ですので、聞き流しでどうぞ。
初回登録料という謎ルール
ボルダリングジムに最初に行きますと、初回登録料、入会金など名前は種々ありますが、1000円~1500円程度の料金を取られます(今回の呼称は初回登録料で統一します)。私は昔、ボルダリングジムの経営をしておりましたが、1000円程度の初回登録料を頂いておりました。
日本のボルダリングジム、クライミングジムの多くが、初回登録料を取っておりますが、この料金を取る理由については謎です。
ジムを経営していた立場から言わせてもらいますと、メンバーズカードを作って、注意事項の説明書を読んでもらって、それに署名してもらう。メンバーズカードをラミネートしてお客様にお渡しする。PCにメンバーの個人情報を入力して登録完了です。
かかるコストは、紙代、印刷代、ラミネート用紙代など含めて30円でお釣りがくる程度でしょうか?人件費まで含めても100円もかからないと思います。
なぜ、初回に登録料を取るのか、謎でございまして、経営していた立場から言わせてもらっても謎なのです。確かに手間はかかるけど、ちゃんとした理由なんて説明できません。少なくとも私には説明できません。
しかし、この初回登録料っていうのは、ボルダリングジムにとって相当な収益になります。前述のように、かかるコストは30円~100円程度で、1000円を頂けるわけですからボロ儲けです。
とあるネットの記事にお客様の立場で、初回登録料反対!こういう無意味な料金を取ることは反対です。とありました。しかし、私はお客さんの立場も経営者の立場も分かるので、この初回登録料というのは、日本のボルダリング競技の発展にすごく貢献したと考えています。
初回登録料を最初に発明した人には、個人的にノーベル賞クラスの賞をおくってもよいなと思うほどです。
それはですね、初回登録料があるおかげで、ボルダリングが流行ったときに、一部のライトなお客さんが大勢でジムに流れました。たいていは、1回きりの体験のお客さんだったわけです。この1回きりの体験のお客さんから、かなり高額なお金を頂けて、収益をあげることができました。
この収益は、非常にボルダリングジム経営にとっては大きなお金で、これを設備投資に回すことができました。また利益が出て、銀行から借金してまで設備投資ができました。地方のボルダリングジムだったけれど、結構な利益が初回登録料で出たわけです。
今、日本全国にいくつボルダリングジムがあるかは、正確に知らないのですが、都道府県の県庁所在地には1つ以上のボルダリングジムがあると思います。
小規模な事業者が多いボルダリングジムにとって、初回登録料があるおかげで高い収益性を維持でき、地方の人口の少ない場所でもボルダリングジムが建てられたわけです。
確かにいろいろなジムで登りたいお客さんにとっては、初回登録料は邪魔かもしれませんが、ボルダリングジムの会計を知っている立場から言わせてもらうと、1回きりのライトなお客さんが、毎週2回くるような常連さんよりもお金を払っています。
一度、統計を取ったのですが、1回しかこなかったライトなお客さんと月に2回以上来られた常連さんの累計は、5対5でした。
しかし、支払ったお金の合計はなんと8対2だったのです。つまり、たくさん施設を使った常連さんの分まで新規のお客さんがお金を支払ってくれていました。
そういうことで、これから初回登録料をとっているボルダリングジムに行かれましたら、ぜひ設備投資に回るお金だと思って支払って頂けるとありがたいです。