クライミング上達法 スローパー系ホールドを攻略する
クライミングホールドの中にはのっぺりしたホールド、スローパーホールドというのがあります。自然の岩場ですと、河原のボルダーには素敵なスローパー系ホールドがたくさんある場所があります。のっぺりとして、大きくて、それをたたくようにして止めたり、両腕で抱きかかえたりして保持します。
私が多くのクライマーを見てきた中でスローパー系のホールドを苦手とするのは、女性の方が多かったように思います。女性の方でスローパーが大の苦手という方、多いのではないでしょうか?うんうんとスマホやPCの前でうなずいた人が2、3名はいてくれたらうれしいのですが、たぶん女性にスローパー系ホールドが苦手な方が多い原因というのは、科学的に証明されると思うのです。
私の推理なのですが、スローパー系のホールドというのは、手のひら全体で抑え込むのですが、これって手のひらが大きいほうが有利じゃないですか。小さな手のひらより、大きな手のひらのほうが保持できる面積が大きいし、滑りにくい。単純に手のひらが大きい男の人よりも女性は3分の2程度しかなかったりします。33.3%も長さが違えば、面積でいうと2乗に比例だったと思うので、数学的なことはよく分かりませんが、絶対手のひらが小さい女性は不利です。
あと、両腕で抱きかかえるタイプの大きめのスローパーだったりすると、身体的な大きさがはっきりとものを言う世界なんですよね。こればかりは小さい人が絶対不利な感じがあります。もう力ではなんともならない世界もあろうかと思います。
しかし、止められるようになると結構面白いのがスローパーです。
握り方の基本は、実際は手のひらで止めるのではなく、肩から後ろ、背中の筋肉でぐいんと固定しながら止めるイメージが大切なのではないかと思います。
スローパーも大きさ、形状がいろいろあるので、一概に言えないところはありますが、バシっとスローパーを止めたときに、肩から後ろの筋肉が負けちゃうとふにゃっと落ちてしまうのです。
基本的にスローパーというやつは、JUG系のホールドみたいにきちんと握ることができません。なので、手のひらを押し付けてその摩擦で仮固定するみたいな感じで保持するのです。そのときに、肩から後ろの筋肉が弱いと手のひらを強く摩擦で押し付けることができない感じになるのです。
意識としては、肩、背中の筋肉でぐいっと手のひらでホールドを押し付ける感じが大切です。なんとも言えない表現なのですが、そんな感じでスローパー系ホールドに取り組まれたらよいと思いますよ。
あと、スローパー系のホールドをどんどん使って登りこみをしていると背中、脇の下あたりにガッツリと筋肉がついてきます。たぶん、この辺が鍛えられているんだなと思います。
河原のスローパーでツルツルのやつとかは、相当難敵なのですがそういうスローパーも登れればうれしいですよ。スローパーホールドは、本当に奥が深くて、私は大好きでした。
ジムを管理する側としては、スローパー系のホールドは結構値段が高いです。小さなスローパーホールドというのはあまりないのです。小さなスローパーって、片手サイズだと全然面白くないですし、できれば3XLとか4XLなどの大きいやつのほうがガシガシ叩けて面白いです。また、ジムのホールドとしても見栄えがしますね。
4XLともなりますと1個あたりのホールドのお値段が何万円ともなっちゃうわけです。しかし、それだけ出してもスローパーのホールドは楽しいですから、ジムとしてどんどん購入して欲しいものです。
女性の方も苦手な方は多いと思いますが、肩、背中の筋肉をモリモリ鍛えてスローパー系のホールドにも触れてください。絶対面白いと思いますので。