リードクライミングでのテンション癖

クライミング上達法 リードクライミングでのテンション癖についての動画です。音声主体ですので、聞き流しでどうぞ。

 

 

 

 

私、リードクライミングが大好きでした。経営していたのはボルダリングジムで、練習も基本的にはボルダリングばかり練習していましたが、好きなのはロープを使うリードクライミングでした。

 

元々、はじめたのがリードクライミングからだったこともありますし、あと他の動画でも語ったことあると思いますが、私、身長が178cmもあって、日本のクライマーとしてはかなり大柄だったんですよ。ボルダリングだとシットダウンスタート、これは座ってスタートでハンドホールドがめっちゃ下にある位置からスタートなんです。ボルダリングのシットダウンスタートって、スタートのホールドがガチで指定されていて、それも私より小柄の人が基本的に課題の設定者なんですね。

 

力学的にホールドにぶら下がれるってことは、ホールドの下に身体の重心がこないとホールドにぶら下がれないんですね。だけど、スタートのホールドがめっちゃ下で、体が大きい私みたいな人がスタートしようとして、普通で不利なのに体が結構硬いともう絶望的なんですね。

 

スタート地点でもうお尻が1ミリ浮くかどうかみたいな状態でのけぞって、スタートできなくて仰向けにゴロンと転がるみたいになります。もう陸に上がったカメ、それもひっくり返されたカメみたいに情けない姿なんです。

 

なので、基本ボルダリングって苦手な感じで、リードの方がシットダウンスタートとか基本ないですし、低空トラバースみたいな狭っ苦しいムーヴもありません。

 

で、前置き長くなってしまいましたが、リードのクライミングをやっていました。外の岩場も一時期はよくリードができる壁に遠征していました。

 

そこで、初中級者のリードクライマー、特におばちゃんとかに多いのが、登れない核心の部分で

 

「もうだめーー、テンション、ロープ張って~!」

 

といつも言う人がいます。

 

で、これが全然よくないです。

 

ボルダリングやる人にはよく分からないシチュエーションなので、もうちょっと掘り下げて詳しく説明しますね。

 

リードクライミングというのは、ボルトがあって、そこにヌンチャクと通称呼んでいる器具、正確にはクィックドローをぶら下げて、そのカラビナにロープを通して進んでいきます。

 

下にはビレーヤーと呼ばれる確保者がいて、クライマーが落ちたら確保器でロープを止めてあげます。

 

それで、登っている側の人がルート上で困難な部分、難しい部分にさしかかります。次の1手を出して、もし取り損ねるとクライマーはフォールしてしまいます。その時にクィックドローのある位置よりも上にいれば、その繰り出されたロープの分だけ空中をぶっ飛びます。

 

人工壁でだいたい2~4mくらい空中をぶっ飛びます。結構、恐ろしいです。

 

なので、私も経験は多数あるのですが、ちょっとこれは進むのが困難だな。落ちるの確実だなと思ったら、

 

「テンション」とか「ロープを張って!」

と下のビレーヤーに伝えて、ロープを手繰ってもらいます。

 

そうすることで、2~4mくらい吹っ飛ぶものが50cmくらいしか落ちなくなります。結構、安心です。

 

しかしですね、このテンションという癖がつき過ぎるとよくありません。上達しないのです。

 

やっぱり、次の1手を失敗を恐れずに出すから、偶然でも次のホールドが取れた時に上達するのです。

 

なので、基本的に落ちるのを恐れてはいけません。時と場合によっては、テンションするのも仕方ないときもあるにはあるのですが、空中をぶっ飛んでも安全な場合は、恐れずに次の一手を出すべきです。

 

自然の岩場だともうちょっと話は複雑なのですけど、それなりに安全が確保されているなら、がんがん突っ込んだ方が上手くなります。

 

やっぱり、ちょっと年齢が上のクライマーほど安全志向が高くて、ちょっと弱気な人が見受けられます。もう小学生くらいからリードクライミングをやっているような子は空中をぶっ飛んでも別にそれが普通になっている子もいます。さすがにそういう子は上達が速いですね。

 

たぶん、この記事を読んで、自分もすぐに難しいところがくるとロープを張ってもらう癖があるなあと思う人は勇気を出して次の1手を出す訓練をしましょう。確かに相当怖いですけど、上達のためには勇気ある次の1手を出してください。