↑クライミング上達法 リードの練習はボルダリングでもできるについて語った動画です。基本的には音声ですので、聞き流してください。
リードクライミングをされている方もいらっしゃると思います。
全国にはたぶん400軒かそれ以上はクライミングジムがあると思うのですが、その9割くらいはボルダリング専用ジムです。
リードが練習できるジムというのは相当少ないです。それは、工場、店舗、倉庫などを改造してボルダリングジムの建設をするわけですが、高さ8メートル以上の建物というのはとても少ないです。そういう建築物の制限があるので、リードができるクライミングジムというのはとても少ないのが現状です。
リードの練習ができる施設が少ないからといって、悲観すべきではありません。リードクライミングの強化はボルダリングジムで十分できるからです。
私は、鹿児島の鴨池というところでクライミングをしておりました。高さ12メートルのリード用の壁が陸上競技場の脇にあります。横幅は5~6メートル程度です。一時期は毎日のようにそこで練習しておりました。
5.9から5.11b程度までは順調に伸びておりましたが、そこからなかなか上達しませんでした。それは、この施設の練習では練習強度が根本的に足りないからだと気づきました。
リードの練習をする場合に、ネックになるのは時間的なロスです。
ロープを出す時間、ハーネスを履く時間、他の人をビレーしてあげる時間。など練習以外の無駄な時間が結構多いことに気づきます。私が使っていた鴨池ではクィックドローを設置、回収する時間も必要でした。
逆にボルダリングでは、シューズを履いて、チョークバッグをつければ準備OKです。そこからガチで練習にいくとケガするので、ウォームアップやストレッチ等をすると思いますが、それらの準備体操はリードでも同じくやりますから条件は一緒です。ボルダリングでは、ビレーをする時間がないので、その分だけ多く自分の練習に当てられます。
ボルダリングの練習をすると、リードよりも難しいムーヴをたくさんこなすことができます。ムーヴの解決能力がリードの練習より格段に上がります。
私は、大分県の本匠という岩場でリードをやっていたのですが、そこでは15m前後の長さのルートが多かったです。ヨーロッパなど海外だと40m、50mなど長大なスケールのルートがたくさんあるらしい(友人談)のですが、日本だと30mでかなり長いルートという認識です。
15mのルートだと単純計算して、ボルダリング5mの課題3本分ということになります。
ボルダリング3本分の体力を養う練習をすれば、リードと同じ練習ができるわけです。ボルダリングの練習を日々やっておけば、ムーヴの解決能力は十分備わっているので、あとはスタミナだけ強化すれば問題ないことになります。
ボルダリングジムでできるスタミナ強化の方法は、「長モノ」と呼ばれる壁を上下、左右に長いものだと100手以上ある長大な課題を設定する場合があります。しかし、長モノ課題は1枚の壁を長時間占領するので、他のお客様に迷惑をかけることになります。長モノ禁止というジムもあると聞きます。
私がおすすめするスタミナ強化トレーニング法としては、登った課題を下っていくトレーニングです。例えば、スムーズに登れる5級課題があったとして、まずその5級課題を登ります。ゴールのホールドに両手で保持できたら、今度はクライムダウンします。登ったときとは反対で、保持しながら下らないといけないので、同じ5級課題よりも難しく感じると思います。
一般論として、クライムダウンの方が登るより難しいと言われます。登りは最悪勢いで登れますが、下りは勢いがつきすぎると保持できなくて落ちてしまいます。しっかり片手で保持しないと下れないので、基本的にクライムダウンはとてもよい練習になります。
あと、スローモーションで登るという方法です。例えば、1手1秒で登れるところを1手10秒数えながら、わざとスローモーションで登るというものです。傾斜が130度、140度くらいあるとなおさらよいです。完全に片手でロックして登らないと落ちてしまいます。猛烈にパンぷすると思います。
慣れてきたら登り下りの往復とスローモーションの合体技です。パンプするのでおススメです。長モノと違って、壁の横方向にはいかないので、他のお客様に迷惑になりにくくよいリードのトレーニングになると思います。ただ、他のお客さんが何も知らずに見るとたぶん変な顔をされるとは思いますけど。その辺の痛い視線は気にせず練習してください。
そういうことで、リードの練習はボルダリングジムでできますし、リードの練習ばかりやりすぎて完全にプラトーにハマっている人も結構見受けられます。ぜひそういう方もボルダリングジムで一度練習されてみてはと思います。